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「会社が倒産しそう・・退職すべき?」確認ポイント総まとめ

「会社が倒産しそう・・退職すべき?」確認ポイント総まとめ

「会社が倒産しそう・・・。こんな時、どうすればいい!?」


会社の経営状態がどうも良くなく、もしかしたら倒産するかもしれないというのは、本当に怖い状況ですよね。

ここ数年は、売上が上がらず、経営不振の会社が非常に増えており、この記事を読んでいる方の会社も、もしかしたら経営危機の状態で、非常に胃がキリキリしているという方もいらっしゃるかもしれません。

こういう倒産が迫っている状況で、社員はどう対応すればいいのでしょうか?

今回は、現役の人事である筆者が会社の経営状態が良くないとわかったときに、どのような行動をとればいいのかについてお話ししていきます。
 
 

目次

 

・業績不振になると危険な兆候が現れる

・給与カットは黄色信号


・給与の遅配が起こるとかなり危険な状況


・実際に倒産すると大混乱する


・在職中に転職活動をしておくのがベスト


・面接で「会社が倒産しそうだ」と言っていいのか?


・まとめ

 
 
 
 
 

業績不振になると危険な兆候が現れる

 
まず、「本当に会社が倒産しそうなのか?」という確認から始めてみましょう。売上、利益などの経営数値を入手しましょう。
 
上場企業であれば決算を公開していますし、中小企業でも情報公開が進んでいる会社なら、決算公告などの経営指標をインターネット等で発表しています。
 
経営指標が公開されていないようであれば、営業担当者や経理担当者から聞いてみましょう。営業担当は各自のノルマとして売上があり、全社の売上の達成度などの情報をもっています。また経理担当者は売上、経費、利益等の損益についての情報をもっています。

次に、賞与の支払い状態を確認します。会社の経営状態は賞与の支払い状況に現れることが多いです。直近で賞与が支払われているか、もしくは賞与カットされているかも、会社の経営状況を表しています。
 
社員の退職状況についても確認します。営業担当者や経理担当者が退職していないかも、会社の状態を知るうえでのポイントになってきます。

このような会社の数字を扱う部署の社員は、一般の社員が持っていないような経営にかかわる情報にタッチしていることが多く、営業部門や経理部門の社員が退職しているようであれば、何か異変が起きていると考えられます。
 
 
 

給与カットは黄色信号

 
経営不振の兆候として明らかなものとして給与カットがあります。社員に支払われる給料の一部が削減されることです。

通常、賞与は削減しても、給与に手をつけるのは順番的に最後であることが多いです。会社は毎月、様々な種類の経費を支払っていますが、その中でも人件費は大きい部類のものです。
 
給与カットが行われるという時点で、毎月の支払いが厳しい状況になっているので、売上が非常に下がっているだけでなく、内部留保(現金の量)も乏しいと推測できます。
 
 
 

給与の遅配が始まるとかなり危険な状況

 
給与カットより状況が深刻になると、給与の支払いの遅れ(遅配)が始まります。給与が遅配し始めると、かなり危険な状況で、倒産が近づいているといえるでしょう。

みなさんの生活でも、家賃の支払いや水道光熱費の支払いなど、決められた日付までにお金を納めないとだめなものがあると思います。

給与の遅配が始まると、社員のみなさんのこの生活費の支払いまで影響が出てきます。この状況までくると、転職して別の会社に移った方がいいといえます。
 
 
 

実際に倒産すると大混乱する

 
会社が倒産した場合、かなりの大混乱が起きます。当然、会社が無くなるので、会社との雇用状態は消滅します。お給料も働いた分が最後に支払われるだけです。
 
実際、会社が倒産すると大混乱になり、債権者が会社に詰めかけるだけでなく、会社を清算する後処理で大あらわになります。
 
給与や退職金については、倒産の手続きにおいても、会社の他の債務と比べて社員に優先的に支払われる性質のものです。ですので、会社にまったくお金が残っていないなどの状況を除き、給与や退職金は支払われる可能性が高いでしょう(必ず支払われるとは保証はできませんのでご注意ください)


しかしながら、給与や退職金の支払い手続きをする社員も混乱の中で業務をすることになるので、お金が振り込まれるのにだいぶ時間が掛かるというのを見込んでおく必要があります。
 
また、雇用保険についても、会社が倒産した場合は会社都合退職になりますが、離職票がすぐ発行されない等の状況になることは想定しておきましょう。
 
 
 
 


 
 
 
 

在職中に転職活動をしておくのがベスト

 
会社が倒産しそうな場合に起こりうる危険な兆候について見てきましたが、実際に最悪の事態になる前に、転職活動をして他の会社に移る準備をするのがベストです。
 
事前に会社が倒産しそうな兆候を察知し、転職活動を始めるのがタイミング的にいいでしょう。
 
そのために、転職活動で必要な書類(履歴書や職務経歴書)を用意したり、転職サイトや転職エージェントに登録しておくのがおすすめです。
 
 
 
 

面接で「会社が倒産しそうだ」と言っていいのか?

 
実際に転職活動の面接で、「会社が倒産しそうだから転職活動を始めた」と言っていいのでしょうか?
 
これには賛否両論ありますが、人事採用担当者である筆者の意見としては、「経営状況があまり良くないので転職活動を始めた」と軽いタッチで触れるのは問題ないと思います。

例)転職活動をする「きっかけ」は会社が経営危機だからで、転職活動をする「動機」は成長性がある会社で、自分の能力を活かしたい etc

というような形で、「きっかけ」と「転職の動機」を分けて話をするという方法もおすすめです。
 
面接で気をつけるのは、会社が倒産しそうであるという話題に触れることで、話の雰囲気が悪くならないようにすることです。倒産という言葉は重みがありますし、重々しい内容の話題が出ると、面接のその後の話の流れに影響する可能性があります。
 
ですので、軽く触れるぐらいにとどめておくのがよいでしょう。
 
面接官というのは、面接である程度、本音を話してくれる応募者に安心をすることがあります。応募書類を読んでいて、なぜ転職するのかがわからない応募者がたまにいます。
 
「この応募者はなぜ転職活動をしているんだろう?」と思いながらも、面接では、明らかに面接用に用意したであろう転職理由を述べる。
面接官にもよりますが、このようなケースでは、少し本音を交えてくれると応募者に親近感が湧くものです。
 
経営危機であることにまったく触れないというのではなく、「軽く触れる」というスタンスで臨んでください。
 
 
 

まとめ

 
会社が倒産しそうであるという状況には、落ち着いて迅速に対応しなくてはなりません。私は人事担当者として、会社が倒産してから転職をするよりも、会社が倒産する前に転職すべきだと考えています。

面接官により評価が分かれるかもしれませんが、倒産後に面接を受けに来るよりも、倒産前に転職を考えて行動している方が、危機管理能力に優れているように受け取れます。
 
もし今、あなたの会社が倒産しそうなのであれば、冷静になり素早く行動を起こしましょう。行動を起こすまでの時間が長いほど、会社の状況が悪化することも多々あります。
 
まずは自分の生活と、キャリアを守ることを第一に考え、行動するようにしてください。

では。