「さて、そろそろ賞与の支給日だ。賞与をもらっていつ転職しようかな」
今回は「転職希望者注意 ボーナスをもらってから辞めるときのポイント」というテーマでお話しします。
人事担当者である筆者が、労務手続き上の注意点や、次の会社に転職するまでのスケジュールのつくり方についてポイントをお話ししたいと思います。
この記事は、
・これから転職活動を始めてボーナスをもらって辞めようと考えている方
・転職先が決まり、退職のスケジュールを考えている方
に役立つ内容になっています。
目次
・転職までのスケジュールをつくる
・ボーナスをもらってから辞めるスケジュール感は?
・転職活動にどのくらい時間がかかるか考える
・転職にかかるコストも考えておく
・まとめ
転職までのスケジュールをつくる
まず、次の会社に転職するまでのスケジュール感をざっくりと考えましょう。ここでは、当然ですがボーナスの支給日を起点に考えます。
真っ先に調べるのは、ボーナスの社内ルールです。ボーナス支給に関するルールは給与規程(会社によって賃金規程ともいいます)によって決まっていますので、この規程を見ます。
そこで、ボーナスに関するルールで重要なのは以下の日付です。
・ボーナス査定の期間はいつか?
いつからいつまでの期間について評価をするのか(だいたい半年前のことが多いです)
・査定をする日はいつか?
規程に書かれていないと思いますが、上司が賞与の支給額を決定する日です。
・支給日はいつか?
ボーナスが銀行口座に振り込まれる日です。
この3つの日付を確認した上で、転職活動→退職→次の会社に入社というスケジュールを立てていきます。特に重要になってくるのは、ボーナス査定の期間と、査定をする日です。
一般的な会社では、3月末までの成績に関して、7月ぐらいにボーナスが支払われます。そして、そのボーナスの査定をする日が、5月~6月になります。
ボーナスを査定する日はわかりづらいですが、人事担当者の経験上、支給日の3週間前にはボーナスの金額が固まっている(=査定が終わっている)ものです。これは、給与計算手続き上、これくらいの日数を要するからです。
ですので、ボーナスの査定をする日は、ボーナス支給日の1か月前ぐらいだと思ってください。査定をする日の時点で、もう退職を告げていた場合、支給額を下げられるということも多々あります。転職先が決まっているのであれば、ボーナスの査定が固まった後に退職を告げるのが、非常に賢い行動といえます。
ボーナスをもらってから辞めるスケジュール感は?
では、実際に賞与をもらってから辞めるスケジュール感を考えてみます。
例)夏季賞与の場合
前年10月~3月末までの評価について、夏の賞与として7月に支給になるとします。
・転職活動を終了し、次の会社に内定をもらう日は?
→6月半ばまで
・賞与の査定をする日は?
→6月半ば
・会社に退職を申し出る日は?
→6月下旬
・賞与の支給日は?
→7月上旬
・有給休暇の消化
→7月中~8月
・次の会社の入社日は?
→8月中もしくは9月
上記のような形になります。
賞与をもらってから辞めるときは、賞与の査定が終わる日までに転職活動が終了しているのがとても大事になることがわかります。
転職活動にどのくらい時間がかかるか考える
賞与の査定が終わるまでに転職活動を終了しているのが前提とするならば、転職活動にどの程度、時間がかかるのかを推測する必要があります。
そのためには、転職市場の状況を調べることが大切です。
転職活動をまだスタートしていない方は、まず、転職市場の状況を知ることから始めましょう。日経新聞で掲載される有効求人倍率や、あるいは転職エージェントに登録して情報をもらうなどして、直近で転職しやすいかどうかを考えます。
例えば、あなたが20代や30代で、自分の所属している業界が活況だとしたら、比較的、短期間で転職が決定する可能性が高いです。
一方で、40代以上の方であれば、転職活動が長引く恐れがあります。特に、あなたの属する業界の売上が伸び悩んでいるのであれば、転職活動が苦戦することもあります。転職がしやすいかどうかによって、転職活動のスケジュールは大幅に変わってきますので、まずは情報を集めましょう。
転職にかかるコストも考えておく
賞与をもらってから辞めるときに、次の会社に移るまでの期間に、どの程度のコストが掛かるのかも考えておいた方がいいでしょう。
転職活動で面接に行く交通費や、スーツや鞄を新調したりすると、意外にお金がかかるものです。特に中途採用の面接では、服装もある程度、選考の材料になりますので、スーツが古くなっていたり、鞄や靴が傷んでいるのであれば、新しくした方がいいでしょう。
また、次の会社のお給料の支払いサイト(=支払タイミング)も考えておきましょう。月末締めの翌25日支払いなのか、あるいは月末締めの当月25日支払いなのか等、会社ごとにお給料の支給スパンが異なります。
ですので、ボーナスをもらって辞める際には、次の会社に移るまでのコストも忘れずに考えておきましょう。
まとめ
今回は、ボーナスをもらってから辞めるときのポイントについて考えてみました。
賞与というのは、半年前の仕事の成果についてお金をまとめてもらうという性質があります。しかしながら、退職を予定している社員についての評価はどうしても低くなりがちです。
ですので、ボーナスをもらってから辞めることを検討している場合には、査定をする日と支給日を頭に入れ、賢いスケジュールづくりをすることが大切になってきます。
では!