「賞与が期待してた額よりだいぶ少ない・・・」
「会社の業績が悪くてボーナスが一律カット・・・」
「賞与が少ないので、住宅ローンをどう返済すればいいんだろう・・・」
会社員の報酬の中で額が大きいボーナス。賞与が大幅にカットされたときには、会社員として本当にやるせない気持ちになりますよね。「会社を辞めてやる!」と怒りがこみあげてくる方も多いと思います。
こんなとき、どう対応するのがよいのでしょうか?
今回は人事担当者である筆者が、賞与をカットされた場合の対応策についてお話しします。
この記事を読めば、ボーナスをカットされた場合に、どう考え、どう対応していけばいいのかヒントが見つかると思います。焦らず、落ち着いて対応していきましょう。
目次
・現状を冷静に分析する
・賞与カットされた理由を調べる
・就業規則を確認する
・会社の業績を調べる
・同業他社の情報を集める
・退職率を分析してみる
・知人とキャリアについて話し合ってみる
・自分のキャリアを査定してみる
・まとめ
現状を冷静に分析する
賞与カットされたときにまずすべきことは、「自分と会社の状況を確認する」です。
自分の状況を確認するというのは、ボーナスカットされたという状況を踏まえて、
・経済状況は問題ないか?
月々の収支の状況や、ローンの支払いなど金銭面について支払いは大丈夫か。
・キャリアとしてこの会社で働く意義・自分の経験と市場価値
などを再確認してみるという意味合いです。
ボーナスカットというのは、年収が減るわけですから大変な事態です。その状況で、現時点の状況と今後のキャリアを冷静に振り返る必要があります。
ターニングポイントともいえますので、丁寧に今の状況を見つめてみましょう。
賞与カットされた理由を調べる
まず、いま起きている「賞与がカットされた」という状況を冷静に分析してみましょう。最初に確認することは、「なぜ賞与が減らされたのか理由を調べる」です。
きちんとした会社であれば、賞与の支給前に社員に賞与の支給についてアナウンスがあるはずです。賞与の支給額は、業績に連動していることが大半ですから、
「会社の業績が〇だったので、賞与の支給額は△となった」というような社内発表文書(通達)のようなものが配られたりします。
この文章をよく読んで、ボーナスがなぜカットされたのかの理由を知りましょう。
業績不振が原因で賞与カットにつながったのか、あるいはそれ以外の理由か?まずは現状を分析することが大切です。
就業規則を確認する
次に、会社の就業規則もしくは給与規程を確認し「賞与をどのように支払うのか」について書かれている項目を読んでみましょう。どの会社も、就業規則もしくは給与規程に賞与についての記載があるはずです。
規程を読み、「どんな時に賞与がカットされるのか?」について記載があるかを確認しましょう。大抵の会社は「会社の業績が著しく悪い場合には、賞与を減額することがある」という記載があるはずです。
就業規則や給与規程を確認したうえで、今回の賞与カットが規程に定められたルールに沿ってなされたものかどうかを確認します。
会社の業績を調べる
会社の売上、利益などの営業数値について確認しましょう。情報公開が進んでいる企業であれば、決算公告を出したり、営業数値を社外に公開していたりします。
営業数値を公開していたら、会社四季報などの専門誌で自社の分析記事を見てみましょう。証券会社のアナリストが客観的な目線で会社を分析していたりします。
一方で、株式を上場していなかったり、中小企業であれば営業数値が公開されていないこともありえます。この場合には、営業担当の社員から情報を入手して、会社の業績について調べてみましょう。
同業他社の情報を集める
会社の業績が良くない場合には、その原因が自分の会社にあるのか、それとも業界特有の問題なのを見極めることが大切です。
扱っている商品やサービスに勢いがなく、業界全体が縮小しているのであれば、ボーナスの削減もある程度は仕方がありませんが、同業他社の業績は悪くないのに、自分の会社だけが業績不振の場合には要注意です。
同業他社と比べた上で、自分の会社の状況が良いのか、悪いのか、それとも同じぐらいなのかを把握してみましょう。
退職率を分析してみる
社員がどの程度、退職しているかを分析するのも、その会社の将来性を見極める上で重要なポイントです。
離職率が高く、中途採用を年中、続けているような会社は、社員にとっての労働環境が悪かったり、よい人材を確保できず、競争力を失っていくでしょう。
ボーナスカットがあった前後の退職状況も冷静に分析してみるのも大事です。
特に、経理や経営企画など、会社の中枢の部門の社員が辞めていないかどうかも判断のポイントになります。会社の中枢の部門の社員は、会社の機密情報をもっていることが多いので、一般の社員が知らない会社の問題点などを把握していることがあります。
知人とキャリアについて話し合ってみる
信頼できる社外の人と、仕事について、そしてキャリアについて話し合ってみましょう。
目線が社内だけにいくと、どうしても視野が狭まります。自分の会社の状況が、他社と比べてどうなのか?同世代の知人の話を聞いてみて、改めて自分の状況がよくわかることもあります。
あえて、いろいろな人の意見を聞くことで、自分の状況を客観的に把握することに努めましょう。
自分のキャリアを査定してみる
転職エージェントに登録して、自分のキャリアが他社でどの程度の評価を受けるのか確認してみるのもおすすめです。
転職エージェントに登録すれば、専門のキャリアアドバイザーからキャリアカウンセリングを受けられます。転職のプロである転職エージェントから、自分の市場価値について、客観的なアドバイスをもらうことができます。
キャリアカウンセリングを受けて、年収が上がるのであれば転職活動を始めるのもよし。いまの会社に留まった方がよいのであれば、そのまま働き続けるのもいいでしょう。
自分の市場価値がどの程度なのかを知るのは非常に価値のあることです。転職エージェントへの登録は無料でできますので、登録だけしておくことをおすすめします。
まとめ
繰り返しになりますが、ボーナスカットは年収が減ってしまう非常にシビアな状況です。そのボーナスカットの原因は何にあるのかを冷静に分析し、対応策を考えることが大切です。
いまの会社に留まるのか、それとも転職して他の会社で働くのか。
自身のキャリアを棚卸して、いろいろな人の意見を聞き、行動していきましょう。ボーナスカットによる年収ダウンは精神的にも参りますが、感情的にならず、落ち着いて対応していけば、よい対応方法も見つかるはずです。
では。