公務員から民間企業への転職を希望している方も多いかもしれません。公務員は非常に安定しているものの、年功序列的な給与の体系になっていたり、仕事の内容面であまり変化がないことなどが民間への転職を考えるきっかけになるようです。
公務員から民間への転職事例はあまり耳にすることが少ないかもしれませんが、実情はどういったものなのでしょうか?今回は30代で公務員から民間企業への転職の実情や対策などについて考えてみます。
目次
・公務員の転職事情は?
・公務員と民間企業で求められるものの違い
・30代の公務員の転職は厳しい?
・30代から公務員が転職を成功させるコツ
・まとめ
公務員の転職事情は?
公務員から転職を考えている人は、実情と転職成功への対策が気になると思います。よく公務員の人が転職しようとすると、もったいないという言葉をよく聞きます。公務員として勤め、想像していた働き方や残業、組織内での転勤による人間関係の閉塞感など抱える問題は人それぞれですが、転職したからと言ってすべてが解決するとは限りません。まずは、なぜ転職したいのかをしっかりと整理する必要があります。公務員と民間企業の人の離職率を、令和元年度一般職の国家公務員の任用状況調査と令和元年雇用動向調査のデータで見ながら実情を知りましょう。
◆参考
一般職の国家公務員の任用状況調査(人事院)
https://www.jinji.go.jp/toukei/0211_ninnyoujoukyou/0211_ichiran.html
雇用動向調査(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/9-23-1c.html
公務員全体の離職率は一般的に1~5%程度で、職種によっても多少異なります。一方、一般企業の離職率は、職種によって変わりますが、おおむね15~20%程度です。このデータからも公務員の離職率の低さは分かります。転職を成功させるコツとして、「公務員の転職成功の事例を踏まえる」という点があります。離職率の低さからも転職事例も多くありません。ご自身と共通の部分は参考になるのではないでしょうか。
公務員は若い頃には給与も低く転職を考える人もいますし、30代で仕事を覚え、よりやりがいのある仕事をしたいと転職を考える人もいます。転職は若い年代ほど有利と一般的に言いますので、転職が難しくなってくる。特に30代の公務員の転職の現状と注意点を考えてみましょう。
公務員と民間企業で求められるものの違い
公務員が転職する時におさえるポイントとして、利益や数字がシビアに求められるという特徴があります。民間企業では業績によって賞与の支給額が大幅に変わる場合やなくなる場合もあります。他にも、専門性が求められる場面も出てきます。公務員に比べ一般的に企業では、新しい技術を取り入れることも多くあり、ビジネスパーソンとして成長を求められる部分で、公務員に比べ期待が大きいという実情もあります。その様な事情も踏まえて、転職を検討する必要があります。
民間企業では(特にベンチャー企業などでは)20代でも裁量が大きく与えられ、希少なスキルを積むことができたりもします。20代でビジネスパーソンとして労働市場での高い価値を有していることもあります。それらの人材と、比べられることもあるわけです。公務員は競争というよりも、むしろ安定だったり、前例踏襲主義なところも多分にあるため、公務員として働いてきた方が転職する際には、差別化をどう図るかを考えなくてはなりません。
30代の公務員の転職は厳しい?
一般的に言われている事ではありますが、30代よりも20代の方が転職のチャンスが多くあります。公務員では、まだ年功序列の傾向が強く30代で管理職に就いている人は、民間企業に比べて少ない傾向にあります。民間企業で30代、管理職を経験し人事マネジメント、プロジェクトの責任者の経験がある人と一方で、公務員の30代でその様な経験が乏しいとその部分で比べられてしまい、思うように転職が決まらないこともあります。
今抱える問題や転職したい気持ちは、公務員のままでは解決できないか、上司に相談してみることも有効となります。公務員では人事異動もありますから、自分の希望が受け入れられることもあります。
30代から公務員が転職を成功させるコツ
最後に民間企業に転職したい時に成功する時のコツを解説します。先ほども少し述べましたが、公務員から民間企業への転職は、イメージをお伝えすると異業種の転職に近いものと考えてください。しかしながら、悲観的になることもありません。要するに、企業は、元公務員だから、民間で勤めていたからという部分だけを見ているのでなく、その人が企業にとって必要かどうかという視点で判断します。
また、公務員での勤務経験を活かせる部分も多くあります。例として、転職先に教師であれば塾関係の講師、労働基準監督署職員であれば社会保険労務士、法務局職員であれば司法書士や行政書士のように、培った経験や専門性を活かすことができる職種もあるのです。特に民間企業は所管の監督官庁が何を考えているか?を気にしていたりします(企業が労働局を気にかけている、企業が税務署を気にかけている等)この所管する立場にある組織に所属した経験などは民間でも大いに活かせるのです。
今までの仕事で培った経験やスキルをどのように活かしていけるのか考えてみることが転職成功のコツとなります。要するに大切なことは、ご自身の能力は企業にとって必要であることを具体的に示すことです。
まとめ
最後に、仕事をしながらの転職活動は心身ともに負荷がかかります。転職を希望する理由、転職したい時期、年収や休日や福利厚生その他労働条件の希望などリストアップし、転職サイトに登録することで、転職活動をプロフェッショナルにお手伝いしてもらうことで負担が軽減されますし、客観的視点からご自身に合った仕事を提案してもらえるかもしれません。
公務員では年度末という概念が強く、年度途中の退職や転職後の年収や休日や時間外労働などご自身で調べることが難しい部分も教えてもらえるのが転職サイトや転職エージェントを利用する大きなメリットになります。ご自身の経験やスキルの強みを最大限生かし、転職サイトの活用など周りの力を借りながら、負担を抱え込まないよう転職成功を目指してみてはいかがでしょうか。