今回は「新型コロナ禍は転職市場にどう影響するか?」という内容をお話しします。
新型コロナウイルス禍で、転職希望者はどのような戦略をとればよいのでしょうか?採用担当の視点、中小企業のバックオフィス部門の視点などから、転職者活動をしている方に役立つ情報を提供できればと思います。
中途採用市場はどうなるのか?
おそらく2023年の春までは確実に厳しくなると思います。人件費を絞ったり、採用活動を凍結する企業が多くなるでしょう。企業の赤字・倒産も増えるため、財務体質や内部留保の厚さが重要視され、企業側も体力勝負になります。
一方で、体力のある企業側としては、
「経営不安の企業から優秀な人材が市場に出てくるだろう」
という見通しをたてています。
ですので、いままで採用をしていなかった企業が積極的に人材採用に乗り出してくることも想定されます。転職者としては、思わぬお宝求人に出合える可能性も高いでしょう。
基本的な戦略としては
新型コロナウイルス禍の転職市場の状況をふまえると、以下の基本方針が良いと思います。だいぶ転職市場は荒れています。
・自分の能力に自信がある40代未満の社員は動いた方がいい
経営体力のある優良企業が採用活動を始めるので、キャリアアップの絶好の機会ともいえます
・自分の年収とスキルが、市場価格よりも高い時は留まる
転職市場が買い手市場になると、選考が厳しくなります。800万円の年収を貰うにしても、買い手市場ではよりシビアにスキルを問われます。自分の能力と経験を冷静に振り返り、市場価格よりも高いのであれば、いまの会社に留まるのがよいでしょう。
志望動機は考えやすいかも?
採用担当者として、多くの方を面接させていただいているのですが、その際に転職活動をしている動機を聞くことが多いです。しかしながら、現在のような状況ですと、
「新型コロナウイルスの影響で、会社の経営状況がかなりまずいんです」
と切迫感がある感じで言われたら、それ以上の言葉を返せないと思います。面接官にもよると思いますが、これ以上の転職動機はないと思いますので、ある意味、転職の動機は考えやすいと思います。
多くの企業が採用を絞る中、経営体力のある企業は攻めの姿勢で転職市場に出てきます。荒波の中にもチャンスはあります。完全な売り手市場よりも、実力に自信がある方には非常にいい地合いかもしれません。