今回は転職活動の自己分析のやり方というテーマでお話しします。転職活動を成功に導くためには、自己分析が欠かせません。なぜなら、自分の性格や今までの経歴、今後、どのようなキャリアを歩みたいかなど考え方が整理されていないと、面接という短時間で的確に自分のことを伝えるのが難しいからです。
面接では瞬発力も要求されますので、よほど頭の回転が速い方でない限り、自己分析を事前に行って、入念に準備していないと、面接での上手い切り返しはできないものです。今回は「自己分析って何をすればいいの?」とお困りの方むけに、どのような準備をすればいいのか、現役の採用担当である筆者がお話ししたいと思います。
目次
・自分の性格とキャリアの2つを考える
・自分の性格を振り返る
・自分の視点と他人の視点を考えてみる
・キャリアの棚卸しをしてみる
自分の性格とキャリアの2つを考える
自己分析をするときに、もっとも重要な点は自分の性格を分析することと、キャリアの棚卸しをすることです。面接で話すときの構成としては「自分はこのような性格をしていて、それが仕事面でこのように活かされていました」という形に最終的に持っていけるようにしましょう。そして、時間軸を意識して話ができるようにしましょう。
過去にこのようなことをしてきて、今、こんなことをしていて、それを踏まえて未来はこのようにしたい、という流れがきれいです。このように、自身の性格面の特徴を深堀りしておき、それがどのように仕事に活かされているかを考え、過去→現在→未来の時間の流れを意識してまとめるのです。このようにすれば、面接で話す際に、面接官側も理解しやすいのです。
自分の性格を振り返る
具体的な自己分析のやり方についてお話していきます。まずは自分の性格特性について考えていきましょう。自分の考えを文章にしながら取り組んでみましょう。ここでも、過去→現在→未来の時間の流れを意識して考えてみます。学生時代から現在まで、「何に時間を使ったか?」「何をしている時が楽しいか、辛いか」を振り返ってみましょう。
好き、嫌いの感情は何をしているときに起こるのかを分析してみます。一番時間を使ったことは、自分が好きでやっていることが多いでしょう。趣味でも構いません。何に最も時間を使い、「なぜそのことが好きなのか?」もじっくり考えてみて、文字に起こしてみましょう。また逆に、何が辛いのか、何が嫌いなのかについても考えてみます。「嫌いで避けてきたこと」についても思い浮かべてみましょう。
自分の性格を振り返る中で、他人と協力して何かを成し遂げたこと、リーダーになったことはあるかを思い出してみましょう。仕事は自分一人ではできないものです。職場でも同僚と協力しながら仕事を進めたり、あるいはプロジェクトの推進役としてリーダーとしての振る舞いを求められるシーンもあります。
学生時代から今までの経験を振り返り、人との関わり方についても、じっくり考えてみます。性格を考えるとき、性格のネガティブな部分にも目を向けてみます。自己分析というと、性格のポジティブな部分に目がいきがちですが、自分の負の部分にも意識を置いておくことで、面接で話す必要はありませんが、キャリアプランを考えるときに十分に役立ちます。「性格的にこのようなマイナス面があるので、この業界を志望するのはやめておこう」といった考え方ができるようになります。
自分の視点と他人の視点を考えてみる
自己分析をする上でもうひとつ大事なことは、他人からの視点を意識してみるということです。具体的は、他人からどのような人物だと見られているのかという視点を考えてみましょう。他己紹介ではないですが、どのような性格の人物と言われるのかを思い出してみましょう。「真面目だ」といわれたり、「活発だ」といわれたりなど、いろいろな他人からの評価があると思います。この点についても冷静に考えてみましょう。
他人の視点を持っておくことで、自分を客観的に分析する材料になります。「自分はこう思っている」という考えは自分視点ですが、「他人からはこう見られている」という別の角度からの分析もあれば、複数の見方が加わるため、客観的に近くなります。中途採用の面接の場では、自分の考えを伝えるだけでなく、「客観的」で「冷静な分析」も評価の対象となります。特に年齢が上がるほど、このような冷静な視点が重視されます。
キャリアの棚卸しをしてみる
自分の性格を振り返ってみた後は、キャリアの棚卸しに移ります。新卒で入社した会社から順番に、どんな仕事を担当し、どのような成果をあげたのか、その時の気持ちはどうだったか、周りの同僚の反応はどうだったかなど、細かく書き出してみましょう。「どのような気持ちでその仕事に取り組み(自分のマインド)」「どのような結果が出たのか(客観的な指標)」という二軸で経歴を振り返っていきます。
キャリアを棚卸しする際に、過去に取り組んだ仕事などを忘れていることもあるでしょう。その際には、自分のスケジューラーや手帳などを眺めて思い出してみましょう。転職活動で「自分は大きな成果はあげていません」と自己PRをあまりしない方がいますが、成果をあげていないのではなく、「成果をあげたことを忘れている」という方が多いようです。ですので、手間は掛かりますが、過去に取り組んだ仕事をできるだけ細かく思い出してみることが大切です。
性格の分析とキャリアの棚卸しをまとめる
この段階まできたら、だいぶ自己分析が進んでいると思います。後は面接でどのようにアウトプットするかを考えることになります。繰り返しになりますが、ここでも過去→現在→未来の時間軸でアウトプットできるようにするとよいです。
面接で話す内容は、大まかに言うと「自分と志望する企業の接点を説明すること」です。あなたはどのような性格をしていて、どのようなことに取り組んで、社会人として成果を出してきたのか。それらの一連の経歴が、志望している企業に「どのように関わり合いがあるのか」を説明するのです。もっと簡単にいうと、自分と志望する企業の共通点を見つけ、それを面接官に納得する形で説明するのが面接の本質になります。
まとめ
今回は転職活動の自己分析のやり方について解説してみました。非常にボリュームのある内容で、読んでらっしゃる方も気分が重くなってしまったかもしれません。しかしながら、転職活動でしっかりと自己分析をすれば、面接での話す内容に重みが増しますし、変化球の質問にも慌てずに切り返すことができたりもします。
自己分析に時間をかけてじっくり取り組めば、結果的に転職を効率的に進めることに繋がります。自己分析は非常に労力のかかる作業ですが、転職活動の初期段階で取り組むのが大切です。みなさんも、休日にじっくりと自己分析をしてみてください。
では!