今回は「退職代行サービスを使う前に、これだけは確認しておこう」というテーマでお話します。
会社に退職を伝えづらいときに代わりに退職の意思を伝えてもらう退職代行サービス。若手社員の転職活動で広がりを見せています。
今回は、この退職代行サービスを使う際の注意点についてお話ししてみたいと思います。
まず、退職の手続きを確認する
退職代行サービスを使う前にすることは、退職のルールを確認しておくことです。その際には、就業規則の退職に関する項目を調べましょう。
労働基準法により、就業規則は社員誰もが見られる場所に保管されていなければいけません。退職する前に就業規則を手元に用意し、退職に関する事項を確認します。
この就業規則に書いてあるルールが重要になってきます。退職願の書き方や、退職は〇日前までに伝える等、会社ごとのルールがありますので、念のための確認しておきましょう。
有給休暇のを確認しておく
次に確認することは、有給休暇の残りの日数です。何日休めるのかをしっかりと認識しておきましょう。それにより、最終出社日が変わってきますし、最後のお給料の金額が変わってきたりもします。
退職日を決める
有給休暇の残りの日数を確認したうえで、有給休暇を何日消化して、いつ辞めるかを決めます。退職日が決まったら、会社の所定の書式で退職願を書きましょう。
なお、退職願と退職届は意味合いが異なりますので注意しましょう。退職願は「会社を辞めさせてください」という依頼する意味があります。一方で退職届は、「会社を辞めます」と可否を問わず、一方的に会社を辞めることを通知する意味合いがあります。
退職時に会社からもらう必要書類は?
会社から退職する際に、会社から発行してもらう書類があります。これらの書類がないと、転職先での手続きができない等の支障がでることがありますので、必ず押さえておきましょう。
<退職時に会社からもらう書類>
・雇用保険被保険者証
雇用保険は、会社勤めをする際には必ず毎月の給与から天引きされます。入社の手続きには必ず必要です。雇用保険で離職した時にもらえる失業手当や資格取得をした時に給付金がもらえることもあります。
・年金手帳(会社に預けている場合のみ)
青色の年金手帳は、次に働く会社で厚生年金に加入手続きをするのに必要です。年金手帳がないと、厚生年金や健康保険の手続きができません。年金手帳は、仮に紛失したとしても、再発行することも可能です。年金手帳を会社に預けず、手元に保管している場合は特に問題ありません。
・離職票(必要な人のみ)
離職票は次の会社が決まっていないときなどに、ハローワークで失業保険をもらうために必要な書類です。現職を退職後、間をあけずに次の会社で働く際には不要です。
・住民税の支払いについて
住民税がお給料から天引きの場合には(=特別徴収)、退職の日付によっては最後のお給料から残り分の住民税が一括で天引きされることもあるので、注意しましょう。
年明けから春ぐらいまでに転職すると、最後の給与から住民税が一括で天引きされ、最後のお給料の手取り額が少なくなります。
こちらに紹介する「退職後の住民税の納付方法」に詳しく記載されています。
転職後の住民税はどうなる?退職時期によって異なる納付方法(パソナ)
https://www.pasonacareer.jp/column/cat2/171110/
・社会保険料の支払いについて
社会保険料(厚生年金、健康保険)についても、退職する日付によって、2か月分徴収されます。ですので、以下の記事に詳しく書かれていますのでご確認ください。
転職時、知らないと損する「社会保険の超常識」(東洋経済ONLINE)
https://toyokeizai.net/articles/-/286589
・その他
ハイクラス系の求人に内定して転職する場合、「前職から在職証明を発行してもらってください」と言われることがあります。しかも入社後にです。職務経歴の詐称を防ぐ意味合いがあるのかもしれませんが、できれば、現職の人事担当者の方の連絡先(退職後に連絡できる)を聞いておくのがベターです。